Defiledを観て考えたあれこれ

幾年ぶりにブログなるものを書きました。
 
そう!Defiledの話がしたいから!!!
長文を書くのがひさしぶりすぎてテンション迷子です!
 
以下、盛大にネタバレしています。
解釈というよりむしろ半分くらいはポエムです。
しかもまだ初日の一回しか観ていないので脳内補完している部分もあるかと思います。
そんなこと言ってないよみたいなところもあるかもしれませんがそのあたりは大目にみてやってください><
 
とりあえず、初見の記憶と気持ちが薄まる前に今思う備忘録として。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
観終わったあとから、
ハリーが本当に守りたかったものはなんだろう
ということをずっと考えています。
 
ハリーの主張はカード目録を守ることで、もちろんそれはそうなんだけど、途中からわからなくなってきてなにがわからないのか今もそれははっきりわからないんだけど。
 
冒頭のシーンでひとつずつひとつずつ丁寧に爆弾を置いていくハリーの姿がとても印象的でなぜか思わず涙がでた。
そのときのハリーはカード目録の棚の上にあがるときは靴をぬいでそっと棚の上にあがっていて、ブライアンが棚の上に置いたコーヒーポットもそっと机のほうに移動させたり、カード目録が汚れないようにとても大切に扱っていて。
だけど、終盤あたり。ブライアンと言い争って激昂したハリーは躊躇なく土足でカード目録の棚を踏んで自らの足で汚した。
あれだけ大切に、守りたいものだったはずなのに。
スズカツさんのその演出の本当の意図はわからないけど観ていた時も観終わった後もそのことがすごく印象に残っていて。
 
ハリーが本当に守りたかったものはカード目録だけだったのだろうか。
 
ハリーが守りたかったものは自分の価値なのかもしれないし、その存在なのかもしれないし、誰かとのつながりだったのかもしれないとも考える。
 
ハリーがどんな人生を送ってきたかその全ては語られないけれど、大学もでて、恋人もいて、10年も図書館に勤めていて、それまで問題を起こしたこともなく、そんなハリーはいわゆる「まともな人」でもあったはず。
私から見たハリーは、その行動とそこに至るまでの思考を考えると「普通」ではないかもしれないけれど単に狂っているともそこまで思えなくて、「社交的な一匹狼」と言っていたけど、本当は誰よりも人と人のつながりを大事にしていた人かもしれないとも思えて、その姿はただただ苦しくただただ悲しく見えた。
 
ハリーはずっと誰かに認められ、必要とされたかったのかなとも思う。誰かから必要とされることで自分の存在を認め、生きる価値を見出していた人。
ハリーはブライアンに歴史に名を残そうという。名を残すことは自分の存在意義につながるしそうすることによってハリーは世界に必要とされる。
 
そして、もうひとつ。
 
ハリーとの対話の中でブライアンは言う。「現実」こそが守るべき価値のあるものだと。
ここでブライアンの言う「現実」はブライアンにとっての現実であり、ハリーにとっての「現実」は図書館からカード目録がなくなってしまうこと=自分の存在がなくなってしまうことが現実。ハリーはブライアンの現実はわからないし、ブライアンもハリーの現実はきっとわからない。
恋人にふられたとか、カード目録がなくなるとか、ハリー以外の人たちにとっては「それぐらいのこと」でしかないこともハリーにとっては「それぐらいのこと」で片付けられるものではなかった。
 
このお話って「受け入れる」ことができてたらこんな悲しい結末になることはなかったと思うんです。勝手な解釈だけれど。
館長がハリーの主張を受け入れていれば、ハリーがブライアンの妥協案を受け入れていれば、ハリーが現実を受け入れていれば、周りにいる人たちがハリーのことを受け入れていれば、、、???
 
だけど、受け入れることはそんなに簡単なことではなくて。
壮大な話になるけど、すべての人がすべてを受け入れわかりあえることができていたら戦争やテロなんてものも起きないわけだし。
生まれた国、育った環境、思想、積み重ねてきた時間と歴史、今抱えている現実、、、そこから生まれる価値観の上でわたしたちは生きている。
 
このあたりはハリーの大事なものの青とブライアンの大事なものの赤が、アメリカにおける青と赤みたいなことも暗に示してたのかなあとも思ってみたりしたけど、そのあたりのことを深く語れるほどの知識がないのでそっちの側面から見たらまたいろいろ見えてくるものもあるのかな。
 
教会に直接出向いてお祈りをする理由はそこに母親の存在を感じられるからと言っていたハリー。
なにもない(と思っている)ハリーにとって図書館は自分の存在を感じられる場所で、その象徴である目録カードと、図書館の価値を守りたかったのかもしれない。
 
ラストの爆発はハリーが息絶える前に自らスイッチを押して起こした爆発だったのか、それとも、投げ捨てたことで誤作動して起こった爆発だったのかどっちなんだろう。
ハリーは死にたかったのか、それともなにかにだれかに救われたかったのか。
最後のアヴェマリアはどういう意味なんだろう。目を見開いてまっすぐ前を見据えていたけど最期はなにを見ていたんだろう。
 
そんなことを懲りずにぐるぐると考えています。
 
 
 
いやーーーしかし、書いていてだんだん自分でも意味がわからなくなってきたので言葉にするって難しいなって思ったのが幾年ぶりに書いたブログの感想です!!!(突然の〆)
 
また次に観たら違うものも見えてくるかもしれないし、全く違うこと言ってるかもしれないけどとりあえず今を残しておきます。
 
おわり!